サン・ヴィート・ディ・ノルマンニはアドリア海からわずか9キロ離れたブリンディシ県の小さな町です。イトリアの谷からも近く、石灰岩質のなだらかな風景に土地を分割する石を積んだだけの素朴な壁があちらこちらに目に付く地域にあります。
町の名前は北東イタリア出身のスラブ人と深く関わっています。963年に町が建設された際にやはりスラブ人だと考えられている聖ヴィトに捧げてカストリ・サンクティ・ヴィティと名づけられたのがその由来だと言われています。ノルマンニという部分は中世の町を築いたノルマン人、ボエモンド・ダルタヴィッラに捧げて付けられました。
町の主要経済は農業で、果物、野菜、アーモンド、オリーブなどの生産が行われています。
見どころ
旧市街で見られる重要な史跡の1つに勝利の聖女マリア教会(Chiesa di Santa Maria della Vittoria)があります。内部には銀製、張子製、木製の聖人ヴィトの像が3体奉納されています。
レッチェ産の石を使ったファサードを持つ福音史家聖ジョヴァンニ教会(Chiesa di San Giovanni Evangelista)は典型的なバロック様式の教会です。内部はレッチェ出身の画家セラフィーノ・エルモの宗教画を多数見ることができます。
大天使ミカエルの夢を見たことをきっかけに1928年にコンチェッタ・カルルッチが建立させた大天使ミカエル教会(Chiesa di San Michele Arcangelo)は町にこの天使に対する信仰心を呼び起こさせました。非常に質素な造りをした教会ですが、最近になってブロンズ製の扉の上にラティアーノ出身の彫刻家コジモ・ジュリアーノによる半円形の大天使ミカエルの浮き彫りとコンチェッタ・カルルッチの像が設置することで彩りを添えました。
町の郊外には弾圧を受けて逃げてきた東方キリスト教の修道僧たちが手で掘りぬいて作った多数の洞窟教会が残っています。中でもフレスコ画とギリシャ語の銘が見られる聖ビアジョ洞窟(Grotta di San Biagio)、聖ニコラ地下聖堂(Cripta di San Nicola)、聖ジョヴァンニ地下聖堂(Cripta di San Giovanni)、聖女マリアとカサーレの聖ジャコモ地下聖堂(Cripta di Santa Maria di San Giacomo al Casale)などが代表的です。
さらに町の防衛建築の代表として中世に建てられたフラッソのデンティチ城(Castello Denice di Frasso)を挙げることができます。広い庭に囲まれ、角型の塔を持つことが特徴です。
イベント
- 1月6日 – どんど焼き
- 1月~2月 – 山車行列
- 6月15日 – 町の守護聖人である殉教聖人ヴィトの祝日