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ガルガーノで飼育されているポドリア種の乳牛の乳で作ったカチョカヴァロ(チーズ)
ガルガーノ国立公園で放牧されているポドリア種の乳牛の群れの姿は一度目にすると忘れることが出来ないほど壮観です。
すっきりとした体躯に燃えるような眼差し、幅広のいかめしい角、森と地中海性潅木を背景に輝く灰色の毛皮は神聖とも言える平安をかもし出します。但し飼育するとなると見とれてばかりもいられません。この乳牛の乳を使ったチーズ、カチョカヴァッロは稀に見る逸品ですが、一年を通して限られた時期に少量だけしか製造することが出来ません。
かつてはイタリア中で飼育されていたこの牛が、今では降水量が少なく生き延びるのが困難なほどの草しか生えないプーリア地方の土地にわずかな数だけ残されたのはそのためです。ガルガーノ地域では比較的多くのポドリア種の乳牛が飼育されていますが、カチョカヴァッロは製造農家が自分たちのために消費する以外はプーリア地方だけで販売されるほど数が限定されています。
この最高級のカチョカヴァッロは料理には使われず生食するためのチーズです。熟成してからの味が特に素晴らしく、数ヶ月経った後のこのチーズは刈り取った草、苦味のある花、バニラ、ハーブのような香りが漂うイタリア国内で作られるチーズの中でも最も薫り高いものの一つとなります。
製造地: ガルガーノ(フォッジャ県)