モンテ・サンタンジェロは海と森に囲まれたガルガーノ国立公園内に位置するフォッジャ県の町です。
大天使ミカエルの聖地があることで古くは紀元6世紀からイタリアだけではなく世界中でも有名な巡礼地の一つとなっています。モンテ・サンタンジェロに町が生まれるのは紀元1000年を過ぎてからのことですが、この土地の歴史が始まるのはそれよりも5世紀以上前のことで、聖人伝研究者によれば490年の5月8日にシポントの司教、聖ロレンツォ・マイオラーノが大天使ミカエルにこの土地にある洞窟を自分の名前のついた聖地として捧げよと命じられたことに始まると言われています。
この逸話に限らず、大天使はこの地にその後も数回現れ、ペストが蔓延していた1656年にマンフレドーニアの司教、ジョヴァンニ・アルフォンソ・プッチネッリの元で病気を治す奇跡を起こしたのが最後の出現だと言われています。
町の経済はこの大天使ミカエル信仰のために集まる巡礼者たちに支えられていますが、乳業と農業も重要なセクターです。
見どころ
モンテ・サンタンジェロは大天使ミカエルの聖地(Santuario di San Michele Arcangelo)を目当てに世界中からキリスト教巡礼者が集まる町です。12世紀にアンジュー王家のカルロ一世に建立された聖地の正面入口には旧、新約聖書のシーンを描いた荘厳なブロンズ製の門がそびえています。
大天使が現れた場所だとされる内部の大天使ミカエルの洞窟(Grotta di San Michele Arcangelo)は石灰岩侵食のために独特な形状をしており神秘的な雰囲気を醸し出しています。12世紀作の洗礼堂、ロータリの墓(Tomba dei Rotari)も正面入口に貴重な浮き彫り装飾を見ることができる非常に美しい史跡の一つです。
さらに11世紀建立の聖女マリア・マッジョーレ教会(Chiesa di Santa Maria Maggiore)、モンテ・サンタンジェロから約10数キロ離れたところにあるカルカンテに捧げた異教の教会跡に建立(591年)されたプルサーノ修道院(Abbazia di Pulsano)なども重要な建築物です。防衛建築としては837年から838年の間にベネヴェントの司教、オルソ一世によって建築され、後にノルマン人、ホーエンシュタウフェン王家、アンジュー王家によって増築された城や、今でも名残を見ることができる町の城壁などを挙げることができます。
イベント
- 5月8日 – 大天使ミカエルがガルガーノに現れたことを記念する祝日
- 10~11月 - 栗祭り
- 3月16日 – 聖ジュゼッペのどんど焼き