アンドリア・バルレッタ・トラーニ県の町、ミネルヴィーノ・ムルジェはアルタ・ムルジャ国立公園の中にあり、オファントの谷から回りを見渡す地勢からプーリアのバルコニーという名でも親しまれています。
町の起源は紀元前2000年にも遡ると言われています。ヤピージ人の入植の後、ローマ化されたと考えられていますが、言い伝えによればこの地に最初にやってきたローマ人は紀元前216年にハンニバルに負けて敗走してきたレギオン兵だとされています。この兵士たちがこの地の羊飼いの女たちに恋をし、女神ミネルヴァに捧げた洞窟（現在では聖ミカエルの洞窟）で結婚式を挙げて住み着いたのがことの始まりだというわけです。
現在ミネルヴィーノ・ムルジェは穀類、さらにイタリア国内のオイルの町協会の一員でもあることからわかるようにオリーブの生産に力を入れる有数の農業生産地です。さらにブドウとアーモンドの栽培も盛んに行われています。.
また、建築資材となる石の採掘も重要な経済活動の一つです。
見どころ
町に多数ある教会の中でも重要なのは中世の基盤を持つ昇天するマリア聖堂（Cattedrale dell'Assunta）です。1608年に建立された教会の内部には今でも昔の教会の名残を見ることができます。
大天使ミカエルに捧げられた聖ミカエルの洞窟（Grotta di San Michele） も非常に印象的です。初代キリスト教徒も信仰の場としていたと考えられる200万年前に石灰岩の侵食によって生まれたこの洞窟の上にはミネルヴィーノの町がそびえています。
また、バロック様式のファサードと２つの建築様式が混在する鐘楼を2つ持つ1793年建立の無原罪のお宿り教会（Chiesa dell'Immacolata Concezione）も一見に値します。
その他に注目に値する建築物としては今では屋敷のような外観を持つ14世紀築の城（Castello）、18世紀築の塔（Torre Ottocentesca） 、旧時計塔（Orologio Vecchio）などがあります。
市立公園の中で目に付くのは32メートルもの高さがある奉納灯台（Faro Votivo）です。元々はファシストの戦死者を弔うために建てられましたが、ファシスト政権崩壊後はプーリアの殉教者を弔う場所となりました。
旧市街には通称シェショーラと呼ばれる魔女の家（Casa delle streghe）があります。1800年代後半にエウスパシア・パッラディーノという名の預言者が住んでいたからなのですが、何とロシアのツァーも彼女のところに意見を伺いに来たと言われています。
ダムで水をせき止めることによって生まれたヨーロッパ第2の大きさを持つ人口湖ラコンテ湖（Lago Loconte）周辺は自然が美しい地域です。
1083ヘクタールの敷地を誇るアックアテッタの人口森林（Bosco Artificiale di Acquatetta）はバルレッタ・アンドリア・トラーニ県の中で一番大きな森です。バラエティーに富む樫の木が豊かな森です。
イベント
- 謝肉祭の火曜日 – ミネルヴィーノ・ムルジェのカーニバル
- 復活祭の15日後 - 土曜のマドンナに捧げた式典
- 4月の最終日曜日 – 子羊祭り
- 9月29 日 – 町の守護聖人大天使ミカエルに捧げた式典
- 10月の最終日曜日 – カルドンチェッロ茸とソーセージ祭り